2020年 07月 10日
例会報告2020.07.10 アサーション
2020.07.10(金)「アサーションを使って コミュニケーション力を高める」
〇 「他人と過去は変えられないが、自分自身と未来は変えられる」
これはカナダ出身の精神科医、エリック・バーンの言葉である。私たちの人生において変えられないものと変えることできるものとが対比的に述べられている。過去に起こった出来事、その事実を変えることはできないというのは明らかな真実だ。
交流分析で自分の考え方の癖やパターンを知ることで自分を縛っていた思い込みに気づくことができれば、過去の出来事に対する解釈が変わり、今の自分にとっての意味も変わってくる。それは新たなもののものの見方や考え方、対処のあり方を私に促し、他者との関係性の変化をもたらす。
格言の前半部分が後半部分で見事にくつがえされている。過去の出来事がいまの私をつくっている、過去の影響下にいまの私があるのではなく、私と他者とのいまここでの関係性のありようが過去の意味を耕し、現在と未来をつくっていくということなのだろう。
〇 アサーションとは何か
アサーションはいまここでの他者との関係性をよりよいものにしていく、自分も相手も大切にするためのコミュニケーションのスタイル、ありようを表す言葉である。私たちの自己表現の特徴を、アサーションでは次の3つに整理する。
非主張的自己表現
自分の気持ちや意見を言わず、他者依存的で自己否定的。
「私はOKでない、あなたはOKである」
攻撃的自己表現
相手の気持ちや意見を無視し、自分を押し付ける。他者否定的、操作的。
「私はOK、あなたはOKでない」
アサーション
自他尊重の率直で柔軟な考え方をもち、自分の選択と責任で行動する。
「私はOK、あなたもOKである」
〇 DESC法もしくはDESCL法について
「あのとき、相手の言うことにあんな風に返してしまったから火に油を注ぎ、言い合いになってしまった」というような反省を活かし、アサーティヴなやり取りを学ぶためのレッスン法として、DESC(デスク)法というものがある。それぞれのステップを意識することで、困った状況への対応力がつくだろう。
D―describe「描写する」
どんな状況なのか、自分や相手の行動を客観的に描写する。
E―express「表現する」
その場面での自他の気持ちを表現する、説明する。
S―specify「提案する」
相手に対して自分が期待する行動を具体的に提案する。
C―choose「選択する」
その提案に対して相手がイエスと応えるか、ノーと出るか。両方の反応に対しての再提案、選択を考える。プランBを持っておく。
日本のアサーションの第一人者、平木典子さんは、Lを加えたデスクル法を紹介している。
L―listen「聴く」
相手の話をちゃんと聞いているという反応、表現をする。
親しいものの間のいさかいは「自分の気持ちを相手がわかってくれない」というところから始まることが多いだろうから、あなたの気持ちを受け取っていますよというフィードバックである「聴く」は大事なステップだ。
この日の例会では、参加者の中から自己主張したかったのにできなかった、または逆に攻撃的になってしまったというような場面、具体例を提供してもらい、話し合った。
by osp_blog | 2020-07-10 00:00 | 例会報告