2013年 04月 12日
2013年度 開講式
タイトル:どもりと上手につき合うために(開講式)
担当:スタッフ全員
参加者:30名(うち初参加者8名)
前半は、東野晃之大阪スタタリングプロジェクト会長の挨拶の後、いくつかのテーマでグループに分かれ、感想を述べあった。
〇グループ分けの設問
1. いつ頃から吃り始めたか
2. 吃りやすい場面
3. 苦手な行で始まることば
4. 自分のどもりを周囲に伝えているか
後半は、日本吃音臨床研究会会長の伊藤伸二が、吃音に関する参加者の質問に応える形で、吃音についての最新情報、吃音で困ったことの対処法などを伝えた。
〇参加者からの質問
1. 来週、職場で自己紹介します。自分の名前を吃るのを、どうしたらいいですか。
2. 自分の子どもの頃は周囲にどもる人がいたし、世間でもどもる人がいることは普通に知られていました。最近は、「自分以外のどもる人に出会ったことがない」という人が増えている気がします。この変化はどうしてでしょう。
3. 今も「吃音を治す派」が主流なのですか。
【初参加者感想】
〇ここに来る直前まで、症状を少しでも軽くしたいと思っていました。これを機会に、吃音のことを諦めます。
〇今日の皆さんのお話を聞いて、前向きになれました。
〇吃音を諦める、ということが、まだ理解できません。いつか治ると、今は思っています。どもりじゃない人のように喋れることに、憧れがありますから。でも、「そっちの方が楽かも」とも思います。
〇私の周りには、どもる人がいません。こういう場に参加するのは初めてで、安心しました。いろいろな悩みをここなら相談できそうで、これからも来続けたいと思っています。
ST(言語聴覚士)学科生1:伊藤さんからこの会のことを教えて貰って参加しました。言語聴覚士の世界では、治ると思って仕事をしている人がほとんどです。ここに来て、吃音とうまくつき合っている人たちのことを知ることができ、良かったです。
ST学科生2:伊藤さんの話を聞くまで、吃音は治ると思っていたので、治らないという話を聞いたときはショックで、クライアントとどう接すれば良いんだろうと思っていました。ここで皆さんの体験談を聞き、私の中で考え方が変わりました。この考え方を伝えて行けるようになりたいです。
ST学科生3:私も、伊藤さんの話はショックでした。言語聴覚士は何も出来ないのかと考えてしまいました。今日の話を聞いて、私でも力になれると分かり、今後は自分なりの支援をしたいと思っています。
ST学科生4:実は自分にも障害があり、受け容れるのが難しくて、普通の人のようになれたらと思い続けて来ました。今日は症状改善訓練じゃない、気持ちの上で出来ることの話を聞けて良かったです。
伊藤:治らないからこそ、いろいろ考えたり、勉強したりすることになる。私はこの年になって、最近も、違う課題を持つ人たちについて、話を聞き、本をたくさん読んだ。治らないことについて、我々と同じように「諦める」ことの意義を提唱している人がいることも分かった。
自分が治らないことを抱えているからこそ、生涯学び、考え続け、人と共感できる。人生について深く考える機会を与えられる。
by osp_blog | 2013-04-12 00:00 | 例会報告