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例会報告「自分のどもりの問題を分析する」 

テーマ:自分のどもりの問題を分析する
担当者:東野 晃之

参加者:21名(うち初参加者2名)



【吃音症状の検査について】
東野:吃音症状は、人により重症度(症状が軽いか、中くらいか、重いか)が違っている。また症状には波があり、重症度がその時の気分、話す相手や場面によって違って来る。

では、吃音の重症度を、他人が客観的に検査することは可能だろうか。医療機関で行われている吃音検査法は、昔から変わっていない。検査官の前で決まった文章を朗読させ、吃音の回数やどもり始めてから言葉が出るまでの時間をはかるやり方が行われている。これは検査官による違いや吃音者のその時の気分による違いが大きい。

【吃音症状の重さと悩みの大きさ】
東野:ところで、吃音症状の重さと吃音の悩みの大きさは、比例するという仮説がある。そんなことはない。

・ジョゼフ・G・シーアンの「吃音の氷山説」を解説し、吃音問題で重要なのは吃音症状ではなく、吃音によって感情、思考、行動が影響を受けることだと説明する。

東野:従来の吃音検査法は、吃音症状にしか焦点が当っていない。今日配るチェックリストは、吃音から来る感情、思考、行動に焦点が当っている。

・ここで参加者全員に「吃音チェックリスト」を配布、自分で採点してもらう。

・後半は小グループに別れ、吃音が感情、思考、行動に与える影響などについて話し合う。

【まとめ】
東野:「吃音のとらわれ度」と「日常生活での回避度」と「人間関係の非開放度」は、とらわれ度が高いために回避行動が多くなり、人間関係が閉ざされやすくなるという悪循環が起こりやすい。
とらわれ度を変えることは難しいけれども、回避度は行動のことなのでコントロール可能であり、ここを変えて悪循環を絶ちきることが出来る。
どもりに対する見方、とらえ方を、一人で変えるのは難しい。ほかの人の考え方に接することで変わりやすいので、吃音教室に続けて参加して欲しい。

(初参加者感想)
○皆さんが非常に良くしゃべるので、びっくりしました。
○今日はこういうチェックリストをすることが出来て嬉しいです。本を読むだけでは出来なかった、自分の吃音を分析することが出来、自分で自分のことが前よりも見えた気がします。

by osp_blog | 2008-04-25 00:00 | 例会報告

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