2008年 08月 22日
例会報告「自分を縛っている考え方に気づく」
担当者:西田 逸夫
参加者:22名(うち初参加者2名)
【失恋の話】
西田:さて、論理療法の手始めに、分かりやすい例を一つ話します。人は誰でも、失恋すると落ち込みますよね。落ち込んだのは失恋のせいだという具合に、失恋と落ち込みとを直結して考える人は多いと思います。
日本の最初の「レコード大賞」受賞曲は、水原宏の「黒い花びら」でした。失恋の唄なのですが、歌詞は「もう恋なんか、したくない」で終わっています。
人類の男女がみんな失恋してこんな風に思うのだったら、今の地球は60数億の人口がひしめきあうような状態にはなりません。失恋しても、再び恋をする気になる人がそれだけ多いわけです。
同じような出来事があっても、誰でも同じように反応するとは限らないことが、これで分かります。
・という導入から始まり、主として吃音問題について、論理療法の考え方を紹介する。
【論理療法の考え方】
西田:同じ出来事(A)があっても、人によって怒り、不安、落ち込み、それ以外など、いろいろな結果(C)が現れます。このことについて論理療法では、AとCの間にB(考え方)が介在していると考えます。人によってBが違うので、同じAから異なるCが起こると考えるのです。
そこで論理療法では、B(考え方)に着目し、先ずは自分がどんなBを抱いているかに気付くことを重視します。思考の中でもこのような表層部分の思考は、気付きさえすれば比較的変えやすいのです。
・ここで参加者全員に、(大きな怒り、大きな不安、ひどい落ち込みなどの)「不適切な感情」を味わった体験を話してもらう。
【ラショナルビリーフとイラショナルビリーフ】
・「不適切な感情」を味わった時の対処法を話し合う前に、論理療法のでは一般にどう対処するのかを解説する。
西田:B(考え方)には、ラショナルビリーフ(理にかなった考え方)とイラショナルビリーフ(そうでない考え方)があります。
・イラショナルビリーフの見分け方、イラショナルビリーフの分類などについて説明。
西田:「不適切な感情」を味わうことは、自分のそれまで気付けないでいた「イラショナルビリーフ」を発見するチャンスになります。
【「不適切な感情」を味わった時の対処法】
・前半の参加者の発言の中から、職場の朝礼について大きな不安を抱えている人の事例を取り上げ、本人が抱いていそうなイラショナルビリーフや、実際の対処法について話し合う。
【初参加者感想】
○今日は楽になりました。ぐっすり眠れそうです。
○どもることをずっと隠して生きて来ました。隠さなくて良いという意見を初めて聞きました。
by osp_blog | 2008-08-22 00:00 | 例会報告