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例会報告「吃音恐怖と予期不安への対処」 

テーマ:「吃音恐怖と予期不安への対処」
担当者:伊藤 伸二

参加者:26名(うち初参加者なし)(+NHK取材班3名)



【吃音の氷山説と吃音シンドローム】
伊藤:世界の吃音者の間で、いま論議されていることがある。約30年前にジョゼフ・G・シーアンが提唱した「吃音の氷山説」が、シーアンが言った中身とは別の意味付けをされて、注目されている。
世界の吃音のセルフヘルプグループの間で、いま言われている氷山説は、吃音を巡るこういうさまざまな問題を「吃音シンドローム」と呼んで、シンドローム全体をセラピーの対象とする考え方だ。私はこの考え方に反論している。
どもることに関しては、症状を改善することは効果がないけれども、氷山の水面下の部分、問題として大きく広い部分にアプローチできる可能性がある。

・この日は吃音で感じる予期不安の具体的事例を参加者に出してもらい、不安の奥にある考え方や、実際の場面での対応策について話し合った。

・それをみんなで一通り検討した後、参加者全員が今日の感想を話し合い、そこからまた幅広い話題が話し合われた。

【参加者感想】(一部)
○会社の朝礼などが苦手。同僚は自分のどもりを知っているが、分かっていても順番に言わされる。
伊藤:我々はどもってしまうだけで良い。そこから先は相手の考えること。
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○友人にどもりの子がいる。今日の話の前提として、自分のどもりを認めることというのがあったが、自分のどもりを認めたくない人に対しては、対処法はないのか。
伊藤:そういう人には、どうしたら良いだろう。
西田:私たちはメッセージを発信して、その人が来るのを待つしかない。
松本:『どもる君へ』を渡す。
川崎:伊藤さんのことばで私が好きなものに、「とりあえず言い置く」というのがある。
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○予期不安が吃音問題の核心だと、改めて感じた。予期不安に対する考え方について、伊藤さんが細かく砕いて話してくれたので分かりやすかった。
○自分の欠点を持っていても、生きていて恥ずかしくないのだと思った。
○一人でどもったとき、人は応援してくれる。
○段々と生き方が楽になって来た。どもりはひどくなって来たのに。
○どもるとひとにバカにされると思って来た。でも、今日の話を聞いて、もういいか、という気持ちになった。
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○ここに来ている人たちは、強い人たちだと思った。どもりを認めるところからスタートして、なかなかそこまで行くのは大変だと思った。
伊藤:全然大変ではない。それに、強くならなくても出来る。自分の人生を大切にするということがポイントになる。
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○今日の話で一番良かったのは、どもっても良いからほかの仕事を真面目にやれば良いというところだ。
○私は日常会話では吃音を隠す事が出来たので、その分ほかの人より予期不安が大きかった。自分のどもりを公表するようになって、予期不安がほとんどなくなった。
○どもりを認めるということは、どもりそのものを認めることではなく、自分がどもる事実を認めるということ。どもりを受け容れることは難しいけれど、事実を認めることは出来ると思う。
○吃音がもし治るものだったら、吃音の話題から出発して今日のような深い話は出来ないだろう。今日は、吃音が治らないことの良さを改めて強く感じた。
○昔、吃音のことで悩んでいた時は、その悩んでいるものを深く細かく考えるのを避けていたが、深く細かく考えることは大事だと思った。

【NHK取材班感想】
○今日は、参加者一人ひとりの個性を感じた。
○正直言って、この番組を引受けるまで、吃音のことは知らなかった。今日は色々な人のしっかりした気持ちを聞いて、感心してしまった。自分自身を見つめる機会になった。
○今日の皆さんには、ことばに勢いがあった。自信なさそうに話す人でも、話の内容に勢いがあり、説得力があった。良い番組にしたいと思う。

この日のテレビ取材の様子は、別のエントリーで報告しています。
「例会にNHKの取材が!」

by osp_blog | 2008-09-26 00:00 | 例会報告

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